唎酒師の店主が厳選した日本酒のお店

Blog

2024/09/18 19:41

こんにちは、ひろがる酒店の店主です。
前回の独り言を楽しんでくれた方、ありがとうございます。今回のvol.2もゆる〜く、気ままにお酒について語っていこうと思います。

今回は「BY」について。日本酒好きなら一度は目にしたことがあるかもしれませんが、「BYって何?」と思っている方も多いのではないでしょうか?

「BY」とは「Brewery Year」の略で、要するに日本酒の醸造年度のことです。


お酒のラベルをよく見ると、「R5BY」とか「H30BY」なんて書いてありますが、これはその日本酒がいつ仕込まれたかを表しています(Rは令和、Hは平成を意味します)。「R5BY」なら、令和5酒造年度に仕込まれたお酒という意味です。ちょっとだけ豆知識をお話しすると、普通のカレンダーと違って、日本酒業界では7月1日から次の年の6月30日までの1年間を「酒造年度」として区切ります。

で、「だから何?」って思うかもしれませんが、これが日本酒をもっと楽しむひとつのポイントかなと思います。例えば、同じ蔵で同じ方法で造った日本酒でも、気候や米の出来によって毎年少しずつ味が変わることがあります。

つまり、「BY」がわかっていると、その酒造年度特有の味わいや個性を感じ取ることができるんですね。例えば「R4BYはすごくフルーティだったけど、R5BYは少し酸味が強いな」なんて感じ。ちょっと日本酒通っぽいですよね(笑)。

この「BY」を意識すると、日本酒を楽しむ幅がグッと広がり、「このお酒、去年飲んだときと全然違う!」っていう比較ができたり、「このお酒、今年はどんな感じなんだろう?」と期待感を持ってお酒を選ぶ楽しさが増えます。

そして、何度かお客様との話で出てきたことがあるのが「買った(貰った)お酒を〇年飲んでいないんだけど、まだ飲めますか?」なのですが・・・飲めますよ。ていうか絶対飲むべき。

どんなお酒か、どんな保管をしていたのかがわからないので「美味しくなってますよ!」とは言えませんが、時間が経過したお酒を飲めること自体が貴重でもありますし、もし可能なら最新の醸造年度の同じお酒を手に入れて飲み比べなんて最高に楽しいと思います。
※ひろがる酒店の角打ちでもたまーに酒造年度違いの飲み比べやってます。

前回の独り言でも触れた「開けたてが一番美味しい」って言われることが多い気がする日本酒ですが、ひろがる酒店で扱う日本酒の中には、熟成でさらに旨味が増すものもあって、
・片野桜 山廃純米無濾過生原酒 山田錦 R4BY(1800mlのみ)
・片野桜 山廃純米無濾過生原酒 雄町 R4BY(1800mlのみ)
・米宗 生酛純米無濾過生原酒 R3BY(1800mlのみ)
・花巴 山廃生 R4BY
・花巴 山廃うすにごり R3BY
・花巴 水酛生 R4BY(1800mlのみ)
・淡墨桜 純米生 一年熟成 R4BY(720mlのみ)
なんかがいい具合になっています。(各商品は下の写真よりご確認いただけます。)

冷蔵庫で眠らせておいたお酒を取り出して、「このBYがどう変わってるか確かめてみよう!」なんていうのも、通な楽しみ方ですよね。

熟成酒大好きな店主につき、キリが無いので今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました!